フランス、郊外のとある団地。車椅子生活を送るハメになったサエない中年男と訳アリ気な夜勤の看護師。鍵っ子のティーンエイジャーと落ちぶれた女優。不時着した NASA の宇宙飛行士とアルジェリア系移民の女性。寂れた団地を舞台に、孤独を抱えた6人の男女に予期せぬ出逢いが訪れる―。監督は俳優・作家としても活躍する、サミュエル・ベンシェトリ。子供時代をパリ郊外の団地で過ごしたという経験をもとに執筆された自身の小説を原案に、どこかカウリスマキ作品を思わせる、静謐さの中に可笑しみを兼ね備えた独特の映像詩を織り成した。そんな多才な監督のもとに集まったのは、フランス映画界を牽引する名女優イザベル・ユペール、国をまたいで活躍するヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、ハウッドから参加のマイケル・ピットと豪華キャスト。さらに監督の息子でジャン=ルイ・トランティニャンの孫にあたる新星ジュール・ベンシェトリの見せる瑞々しい存在感をはじめ、個性的な俳優たちが異色の組み合わせで展開する化学反応がゆるやかに、しかし確実に胸を打つ。この機会に是非ご高覧ください。 ※出典:music.jp