世界的バイオリニスト・五嶋龍が西アフリカのガーナ共和国を訪れる。赤道近くの色彩豊かな風土の中、陽気な人々が暮らす国、ガーナ。金とカカオで急速な経済発展を遂げているが、クラシック音楽に関してはまだまだ発展途上だ。ガーナ国立交響楽団の招聘で実現した今回の公演。ガーナの人々で構成されるオーケストラの中で、彼のヴァイオリンはどんな音色を奏でるのだろうか。そして龍にはもうひとつの旅の目的がある。ニューヨークに生まれ育った五嶋龍には黒人の友人も多いが、彼らのルーツは言うまでもなくアフリカにある。ガーナには17、18世紀に奴隷貿易の拠点となった「ケープコースト城」が今も存在する。アフリカ各地から集められた「奴隷」がここからアメリカ大陸へと旅立っていった。そのドアに今も刻まれる「DOOR OF NO RETURN」の文字。このドアをあけたらもう二度と戻ってこられない・・・。そんな悲しみの世界遺産を訪れる龍の胸に去来するものは。 ※出典:music.jp